年商1億円から3億円の中小企業向けWebマーケティングを活用した集客施策の教科書

2024.04.15

「属人的な営業から脱却した、再現性のある新規集客施策に取り組みたい」

本記事は年商1億円から3億円規模の中小企業向けの、集客脱・属人化のための『Webマーケティングを活用した集客施策の教科書』になります。

本記事を読むことで得られる情報は下記の3つです。

  1. Webマーケティングの全体像を構造的・体系的に理解できる
  2. Webマーケティングの指標が理解できる
  3. CPA(顧客獲得単価)の計算方法が理解できる

年商1億円から3億円規模の中小企業で最も多い問題が「優秀な社長の属人的な営業」です。社長が優秀であればあるほど営業手法が属人的になり、部下やメンバーに教えることできず、結果として成果があがらず売上が停滞してしまう現場をよく見かけます。

そして、ふと立ち止まった時に『自分しかできない営業手法ではなく、再現性ある集客方法が必要だ』という課題に直面していることでしょう。

私自身、10年の中でWebマーケティングによる集客支援を90社以上に提供してきましたが、Webマーケティングの基本的な集客施策を取り組むことで売上を1.3倍〜2.2倍まで上げることができました。

1.3倍〜2.2倍という数字は、決して奇跡的に辿り着いた数字ではなく、論理的に再現性あるWebマーケティング支援を行うことでどの中小企業でも実現できる数字です。

カタカナ用語も多く複雑そうに感じるWebマーケティングですが、実は構造的に整理してみるとシンプルな姿をしていて、『ユニットエコノミクス』という概念さえ押さえておけばその他の数字も芋づる式に理解することができるのです。

事業成長に悩める中小企業の経営者・Web担当者向けに、10年研磨してきたWebマーケティングのノウハウを全て詰め込んだ『Webマーケティングを活用した集客施策の教科書』を作成いたしました。

言葉がわかりづらい、難しい箇所があると思いますが、全て読み切り実践していただければ確実に連続的、あるいは非連続的な事業成長に繋がると確信できる内容となっておりますので、ぜひ活用していただけると幸いです。。

本記事を作成するに至った背景

『顧客への提供価値を圧倒的強化するための教科書が必要だ』

ありがたいことに、私たちは10年で90社以上の中小企業のWeb集客支援に取り組ませていただきました。取引先企業も増え、共闘するメンバーも8名ほどに増え、事業拡大させてきました。

しかしその一方で、事業成長に伴う顧客への提供価値の低下について危機感を覚え始めました。特に大きな問題が発生したわけではないですが、事業拡大と品質低下は小企業の宿命であり、確実に起こりうる未来に対して手を打っておく必要があると考えました。

そこで、私が10年かけて築き上げたWebマーケティングの知見を体系的・構造的に整理し、かつ最新のノウハウを合体させた『Webマーケティングの教科書』を作ることで、Webマーケターチームの技力底上げをし、顧客への提供価値を最大限に高めようと決意し、本記事を作成することにしました。

そして、せっかく作成するのであれば、せっかく私たちのサイトに訪れていただいた中小企業の経営者・Web担当者の皆様に、少しでもお役に立てればと思い公開することに至りました。

丹精込めて作成した『Webマーケティングの教科書』なので、ぜひ使い倒して皆様の事業にお役立ていただければ幸いです。

まずはWebマーケティングの全貌を把握するために、Webマーケティングの全体像についてお伝えします。

Webマーケティングの全体像

Webマーケティングは大きく2つに分けることができます。本質的な『ファンダメンタルズWebマーケティング』と、スキルやノウハウ寄りの『テクニカルWebマーケティング』です。

この考えはマーケティング企業としてP&GのWWHフレームワークと、DtoC事業の第一人者である北の達人コーポレーション木下氏の考えを参考にして作成しています。

よく耳にする『SNSマーケティング』や『インフルエンサーマーケティング』は、テクニカルWebマーケティングの”HOW”に位置するもので、Webマーケティングのごく一部を指す言葉です。

ここで重要なのが取り組む順番です。上流のファンダメンタルズ領域で勝ち筋を見つけ出してから、下流のテクニカル領域に取り組むという順番です。

もちろん、順番を無視してインスタグラム運用に取り組んで成功することもあります。ただ、確実に打率が下がります。

私たちは企業様の命であるお金をいただいている以上、確実に成果に繋げる必要があります。

そのためには上流の工程であるファンダメンタルズ領域で勝ち筋を見出した上で、下流のテクニカル領域に取り組むことで打率を極限に高めて取り組んでおります。

具体的にファンダメンタルズWebマーケティングとテクニカルWebマーケティングについてそれぞれ深掘りしていきます。

ファンダメンタルズWebマーケティング

『物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛』

日本のコピーライターである田中泰延氏の言葉で、表現する前に調べることの重要性を説いた言葉です。Webマーケティングでも同様にまずは徹底的に調べることから始まります。

WHO:どんな課題を解決するの?(不を探せ)

調べる目的は誰かの不満・不経済・不便・不都合・不安を見つけ、自社の商品・サービスを通じてどのように解決するかを決めることであり、マーケティングの専門用語ではWHO(誰に)とWHAT(何を)を見つけることです。

WHOとWHATを的確に見定め成功した事例を2つほど紹介していきます。

WHO

(不を持つ人)

WHAT
ドミノピザ 美味しいピザ屋は多数存在していたが、提供が遅いことに不便さを感じていた。 「30 minutes or free(注文後、30分以内にお届けできかべればお題はいただきません。)」という利便性を提供した。
ファブリーズ 洗濯ができないセーターやコート、カーテンやシーツなど、クリーニングを都度出すことに不便・不経済を感じていた。 スプレーをかけるだけで除菌や消臭ができるという利便性と経済合理性を提供した。

わかりやすい事例を並べましたが、現場ではこの”不”を見つけることが本当に難しいです。「顧客インタビューですぐにわかるんじゃないと?」と思われますが、顧客は心の声を言葉にできません。その最たる例がマクドナルドのサラダマックの実例です。

当時のマクドナルドでアンケートをとったところ大半の回答が「ヘルシーなハンバーガーが食べたい」だったため、満を持して開発した新商品がサラダマックでした。しかし、全く売れずにすぐに廃盤となりました。

その結果を踏まえてマクドナルドが考え抜いて出した新商品がメガマックやクォーターパウンダーマックなどのヘルシーとは真逆の商品で、これが見事にヒット商品となりレギュラーメニューとして加えられました。

このように消費者の購買行動はロジカルに意思決定を行っているわけではなく、声にならない内なる想いが無意識下で働き意思決定が行われるので、無意識下にある内なる想いを見つけることは至難の業ということです。

できることは高速に仮説検証を繰り返し、砂漠の中からダイヤモンドとなる”WHO(不)”を見つける以外方法がありません。それほど簡単に見つからないですし、しかしこの”WHO(不)”を見つけることこそがWebマーケティングひいてはマーケティングのスタートラインとなるわけです。

そうして浮かび上がったWHO(不)に対して、自社と競合他社を比較してWHAT(何を)を見極める工程に移ります。

WHAT(USP):どうやって解決するの?(USPを見つける)

WHATを端的にいうと「あなたの強みはなんですか?」という問いの答えを見つける作業であり、マーケティング用語ではUSP(Unique Selling Proposition)あるいはPOD(Point of difference)と呼ばれます。

USPを見つけることで価格競争から抜け出すことができます。USPの成功事例として有名なのがドミノピザです。

「30 minutes or free(注文後、30分以内にお届けできかべればお題はいただきません。)」という利便性を提供した。

当時、アメリカでは多くのピザ屋が存在していました。

どのお店も”味”のみにこだわりを持っており、言い換えれば”味が良ければ提供は遅くても良い”という考えのお店がほとんどでした。

そこでドミノピザの創業者であるトム・モナハン氏は「味と同等に提供スピードも求められているのでは?」と考え、「注文後、30分以内にお届けできなければお代はいただきません!」というキャッチコピーのもと、ドミニックス・ピッツァを買収してピザ屋をスタートさせました。

この施策が見事的中し、アメリカのみならず世界中で支持され、世界No.1のピザ屋へと成長しました。

ここで重要なことが、市場を取るために商品・サービスに多少の無理が発生してでもUSPを明確に設置しやり切ることです。

実際、ドミノピザも30分以内の無料キャンペーンは終了しておりますが、現在も宅配ピザ業界では2位のピザーラと比較して店舗数及び売上で1.5倍以上の差をつけ、業界1位に君臨しています。

それほどUSPは無理をしてでも実行してやり切ることに価値があるのです。やりきってしまった後であればいくらでも舵を切ることができるのです。

HOW:どうやって表現するの?

WHOとWHAT(USP)を明確にした上で、ようやく具体的な手段の話に入ります。

ドミノピザでいえば、「提供スピードを早くするために30分以内でお届けする」というWHATを、「30 minutes or free(注文後、30分以内にお届けできかべればお題はいただきません。)」とHOWで表現した事例が最もわかりやすいです。

ここで重要なことが、HOWはコピーライティングやデザインといった要素が強く、PDCAを回すことでいずれ辿り着くものだったりします。

逆にWHOとWHATの設定が間違ってしまうと、どんなに秀逸なHOWだろうが大した成果を生むことが難しいのです。

ぶっちゃけ、中小企業にファンダメンタルズWebマーケティングは必要?

ここまで長々と解説しましたが、中小企業にここまでのファンダメンタルズWebマーケティングをガチガチに固めることはとても難しいです。

なので、正直な話、テクニカルWebマーケティングをゴリゴリ取り組めば売上1.5倍にすることは可能です。

では実務ですぐに実践できるテクニカルWebマーケティングについてお伝えしていきます。

テクニカルWebマーケティング

テクニカルWebマーケティングの全体像は上図の通りですが、全てを集約して1つの目標指標を出すとするならば「最終的にどれだけ成果が出るの?」を図るユニットエコノミクス(LTV/CAC)が重要となります。

上図はWeb広告のみでなく、SNSを含めた全てのWeb上の活動に当てはめることができるため、テクニカルWebマーケティングに取り組む上で最も重要な考え方となります。

ユニットエコノミクスは業界によって目標数値は異なりますが、概ね『3以上』を目指すと良いとされています。100万円の宣伝広告費に対して、300万円の利益が発生している状態です。

余談ですが、事業立ち上げフェーズでは、ユニットエコノミクスが2以上でも問題ないことも多いです。契約に繋がった消費者と対話することで、消費者理解に繋がり、上流の戦略を見直すきっかけに繋がることもあるためです。

上手の中で赤色の3つを適切に改善することが最初のステップです。

  1. Imp:広告表示回数
  2. CTR:Impから特定のURLをクリックされた回数の割合
  3. CVR:自社メディア訪問者から購入やお問い合わせに繋がった割合

Imp:知ってもらうこと

ウェブ広告や記事コンテンツ、SNSなどが表示された回数を示す指標です。施策を考える上で母数となる指標なので、基本的には多ければ多いほど良いとされています。

ただし、商品・サービスを購入するユーザーと異なる属性のユーザーに閲覧されると意味がないので、露出するメディアには慎重に選定する必要があります。

インプレッションを増やすためには露出するメディアを増やす必要があり、3種類のメディアの特徴を活かして以下にコスパ良く露出するかを効果測定して改善します。

 

オウンドメディア:

自社で管理するメディア

・自社のHPのSEO

・自社のSNS

・自社のGoogle Map

アーンドメディア:

第三者が発信するメディア

・口コミ

・他人のSNSの投稿

ペイドメディア:

お金を払って出稿するメディア

・リスティング広告

・ディスプレイ広告

・Meta広告

・Youtube広告

CTR:広告がクリックされた回数の割合

次の指標がCTR(Click Through Rate:クリックスルーレート)で、広告が表示された回数に対して、どれだけクリックされたかを示す指標です。広告が表示されてもクリックして自社のメディアに訪れてもらわなければ意味がありません。

CTRの目安としては『1%』が1つの基準ですが、露出するメディアや業界によって大きく異なるので、参考までに業界別のディスプレイ広告とリスティング広告のCTRを表にまとめましたのでご覧ください。

引用:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]|WordStream

CTRの改善策としては以下のようなものが挙げられます。

施策

・訴求するバナーの改善

・キャッチコピーの改善

・メディアの選定(imp改善と紐づく)

CVR:自社メディア訪問者から購入やお問い合わせの割合

[図解] CVR = 購入数(CV) / 閲覧数(Session)

広告やウェブページを見た人が、購入や登録などの目標となる行動を取った割合で、業界別平均CVRは以下のようになります。

業界 平均CVR

(検索)

平均CVR

(Google広告)

出会い、パーソナル系 9.64% 3.34%
法務系 6.98% 1.84%
消費者サービス系 6.64% 0.98%
自動車系 6.03% 1.19%
人材系 5.13% 1.57%
金融系 5.10% 1.19%
旅行系 3.55% 0.51%
教育系 3.39% 0.50%
産業サービス系 3.37% 0.94%
健康・医療系 3.36% 0.82%
BtoB系 3.04% 0.80%
テクノロジー系 2.92% 0.86%
電子商取引系 2.81% 0.59%
家庭用品系 2.70% 0.43%
不動産系 2.47% 0.80%
擁護団体系 1.96% 1.00%

引用:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!]

よく間違えられるCVRとCVの違いは以下の画像の通りです。

[図解] CVRとCVの違い

CVRの改善方法を5つご紹介します。

ユーザー Sessionで訪れるユーザーの属性を変えます。自社メディアに訪れたユーザーが女性なのに、男性向けの商品を販売しても結果が伴わないため、閲覧しているユーザーが正しいか、露出するメディア選び、あるいはCTRのクリエイティブを変える必要があります。
LPO ランディングページの最適化です。訴求するための情報やデザインの最適化を測ります。
EFO 申し込みフォームの最適化です。実は申し込みフォームの途中で離脱するケースも多々あるため、申し込みフォームが長いケースなどには効果的です。

メディア選定の優先順位をつける

テクニカルWebマーケティングを実行する上で最初の変数が「Imp」であり、具体的には露出するメディアを決めるべきだということがわかりました。

この章ではメディア選定をする上で重要なメディアの種類と各メディアの特徴について触れていきます。

メディアの特徴を語る上で欠かせないのがターゲット層と呼ばれるピラミッド型のユーザー分類です。

この中で取り組む優先順位はユーザー数は少ないが顧客獲得単価が低くすぐに購入に繋がる明確層です。

上から順に適切なメディアを選定してアプローチしていくことが重要です。順に層ごとに最適なWebマーケティングをお伝えします。

明確層へのアプローチ:指名検索にリスティング広告

ニーズが明確で購入を検討している層には、競合他社及び自社の指名検索キーワードでリスティング広告を出稿することが最も効果的です。

リスティング広告とはGooleやYahooなどの検索画面の広告枠を買い一番上に表示される広告手法です。検索結果の左上に「スポンサー」と表示されているものは全てリスティング広告です。

例えば東京のホームページ制作の「ネオインデックス」で検索すると、競合他社のリスティング広告が3つ表示されます。

競合他社のキーワードで広告を出稿することで、すでに競合他社の商品・サービスを購入検討しているユーザーから横取りすることができるのが特徴で、成約率の高いユーザーからImpを取ることができます。

ただし、指名検索キーワードのリスティング広告で注意点として、商標登録されているキーワードを広告文に入れることは法律違反となるため、最悪の場合は民事の裁判に発展する可能性があります。

そのため、いずれにしても広告文にはキーワードを含めないよう除外キーワードとして必ず設定してください。

メディア 指名検索キーワードによるリスティング広告

顕在層へのアプローチ:リスティング広告✖️LP

まず初めに取り組むべき王道のWebマーケティングが顕在層へのアプローチで、顕在層へのアプローチで鉄板の販路開拓方法を見つけることがWebマーケティングの第一歩です。

顕在層へのアプローチで適正なCPO(顧客獲得単価)が難しければ、上流の戦略が間違っている可能性が高いです。

具体的には成約に近いキーワードで広告を出稿し、適正なクリエイティブを表示させ購買へ繋げます。主には「Web広告×LP」や「購買キーワードSEO×LP」などが鉄板です。

SEO対策は難易度が高いので、リスティング広告やMeta広告とLPの組み合わせが最も始めやすいです。

オウンドメディア 購買ワードでSEO
ペイドメディア リスティング広告、リターゲティング広告、ディスプレイ広告

準顕在層へのアプローチ

準顕在層へのアプローチからハードルが上がり、直接お問い合わせではなく少しの顧客育成(ナーチャリング)が必要になります。

購入の意思決定まで至っていない層なので、「なぜ買う必要があるのか」「買うとどのような未来が待っているか」を訴求し続け顕在層へ昇華させる必要があります。

顧客育成の方法は2つあります。

  1. 情報発信:メルマガ、LINEで
  2. 情報提供:ホワイトペーパー、無料セミナー、事例集ダウンロード

顕在層と準顕在層の難易度は大幅に変わるため、Webマーケティング初心者の方は顕在層飲みに注力することをオススメします。

オウンドメディア 情報検索ワードでSEO、SNS運用
ペイドメディア タイアップ記事広告、Meta広告(Instagram広告、Facebook広告)、Youtube広告、インフルエンサー広告

潜在層へのアプローチ

最も難しく多くのリソース(時間とお金)を含むアプローチが潜在層になります。

正直、難易度がとてつもなく高く、かつ年商1億円から3億円の規模の中小企業には不要なアプローチです。

この層へのアプローチは、自分たちの存在を知ってもらうための接点回数を増やし、長期間の顧客育成(ナーチャリング)を行うことで獲得できる層で、テレビCMや大々的な地下鉄の広告などが該当します。

初期投資がかかり、数ヶ月から数年運用して結果を生み出すものなので、会社の金銭的な体力として十分ないと取り組むことが難しいです。

オウンドメディア SNS運用
ペイドメディア テレビCM、プレスリリース

余談:CPOの採算が合わない場合はクロスセル・アップセルが有効打

ユニットエコノミクスからCPOを計算するのですが、どうしても採算が合わない場合は分子のLTV(顧客生涯価値)を上げる施策に取り組みます。

具体的にはアップセル(より高額な商品を販売する)、クロスセル(組み合わせの商品を販売する)とよばれる施策で、CPOの改善に頭打ちが来るタイミングでも同様に実施します。

前提として、既存顧客から生まれる利益獲得のコストは、新規顧客獲得で発生する利益の獲得コストと比較して20%程度とされています。これはアメリカの大手コンサル会社が提唱する「5対25の法則」で、顧客離れを5%改善することで、25%の利益率改善されるという法則です。既存顧客を大切にする重要性を伝える一方で、新規顧客獲得の大変さも物語っています。

そのため、新規獲得のCPOを改善する以上に簡単に取り組める施策がクロスセル・アップセルとなります。

以上が、Webマーケティングの全体像とメディア選定の優先順位となります。最後に明日から即実践できるWebマーケティングの4つのステップについてお伝えしていきます。

明日から即実践のWebマーケティングの4つのステップ

業種や販売する商品にもよりますが、基本的には成約に転換するためのツールとしてHP、LP、ECサイト、LINE OFFICIALなどがある前提で話を進めます。

「全くないです!」ということであれば、初めてでゼロから作るのはとてもハードルが高いのでまずは私たちにご相談ください。

STEP1:現状分析を行うためのインフラ構築

目標を達成するために重要なことは現状を正しく把握することで、効果測定用のインフラを構築することが最初のステップになります。

具体的には無料で始められかつ高性能な3つのツールを導入することをオススメします。

  1. Google Search Console:サイトに訪れる前のユーザーの行動
  2. Goolge Analytics:サイトに訪れたユーザーの行動
  3. Microsoft Clarity:サイト内でのユーザーの具体的な行動

この3つを設置し、テクニカルWebマーケティングの図にある『Imp』から『成約』までの導線で悪い数字を探してください。

STEP2:メディアごとに目標設定許容CPAを算出する

効果測定用のインフラ構築と同時に目標設定を行います。

ユニットエコノミクスが3以上が健全な状態で、その目安からCPO→CPO→CACを算出して最低いくらでお問い合わせを獲得しないといけない『許容CPA』を算出します。

少し複雑ですが、STEP1で取得したデータを活用して以下の計算式に当て込めば許容CPCが算出できます。

ここで注意点として、『仮の定数』はメディアごとに大きく変わります。

例えば、Googleのリスティング広告だと契約率が50%なのに対し、Facebook広告は契約率が30%になるといった現象は頻繁に起こります。

そのため、Web広告を出稿するメディアごとにインフラを設定し、メディアごとに許容CPCを算出して広告に回しましょう。

STEP3:3つの変数をゴリゴリPDCA

許容CPCの設計ができたら実際に広告を出稿し、メディアごとに3つの変数を指標にしてPDCAを回します。

  1. CTR:クリック率(ページ遷移率)
  2. CVR:コンバージョン率(お問い合わせ率)
  3. LTV:顧客生涯価値(契約後の単価)

メディアごとに契約率も変われば、LTVも大きく変わることがあります。例えば、特定のメディアは無料キャンペーンのみ収集するユーザーが多い場合、LTVは低くなります。

その場合は、設計した許容CPCを計算し直し、採算が合わなければ広告出稿を取りやめるなどの選定が必要です。

成果がでなければファンダメンタルズWebマーケティング

ほとんどはテクニカルWebマーケティングを改善し続ければ成果は出ます。

ただ、何度挑戦しても成果に繋がらない場合はファンダメンタルズWebマーケティングまで戻り、改めて戦略を立て直すことをオススメします。

ここまで行き詰まった場合は広告代理店に相談するのが早いかもしれません。

経営にマーケターを実装せよ

Webマーケティングを構造的に説明するととてもシンプルであり、再現性が高いコスパの良い集客方法です。大手企業はもちろん全ての企業で導入しています。

ただ、自社で内製化しようとしても専門用語だらけで進展しない企業がほとんどです。

Web担当者人材を採用しようとしても、応募してくる方は即戦力とは程遠い人材で、優秀な即戦力人材を募集するのは難しいです。

10年で90社以上のWeb担当者としてWebマーケティング支援及びDX化などに取り組んだ私が行き着いた答えは、伴走してくれる外部のWeb担当者を内部に実装するのが最もコスパよくWebを有効活用する方法です。

上流設計から実行支援まで、包括して対応できるWeb担当者を外部から業務委託で参画してもらい、自社のリソースに合わせて推し進めることが最もコストパフォーマンスが良いです。

そんな外部のコスパ良いWeb担当者を実装したい中小企業の経営者・Web担当者がいましたら、ぜひ「バンソウ屋」というサービスを活用してくださいませ。

経営にマーケターを実装し、飛躍的な事業成長に貢献できれば幸いです。